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患者様へ臨床研究への参加について

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実施期間と参加人数

この臨床研究は、2019年9月から2021年12月(手術後2年の追跡観察期間)まで実施され、全施設で計3人の患者様ご参加頂く予定です。

臨床研究に参加いただける方

この臨床研究に参加いただけるのは以下の条件に当てはまる方です。

  • ・拡張型心筋症と診断された20歳以上、75歳以下の方
  • ・心不全に対する薬物治療を行っているにもかかわらず、心不全症状が続いている方
  • ・NYHA分類がⅢ又はⅣ及びINTERMACS ProfileのLevel 4~7の方
  • ・心エコー検査で、左室拡張末期径が60mm(30㎜/m2)以上と心拡大された方
  • ・心エコー検査で、左室駆出率が35%以下で、心機能の低下された方
  • ・MRI又は造影CT検査で、RVEDVi≦170mL/㎡の患者(右室拘束軽減型の場合)

また、以下のいずれかに当てはまる場合は、この臨床研究に参加いただけないことがあります。

  • ・左室拡張末期径が85mmを超えて過度に心拡大をきたしている方
  • ・左室駆出率が10%未満で、高度に左室機能の低下した方
  • ・過去に心臓手術を受けたことがある方(植込み型除細動器、ペースメーカー植込み手術は除きます)
  • ・他の心臓外科手術を予定している方
  • ・冠動脈バイパスグラフト術(CABG)歴がある、又はCABGを予定されている方
  • ・術前3ヶ月以内で、経皮的冠動脈インターベンション術(PCI)又は経心筋レーザー血行再建を実施した方またはその候補の方
  • ・大動脈内バルーンパンピングを行っている方
  • ・心臓移植歴がある、又は心臓移植を希望している方
  • ・NYHA分類がⅣで、補助心臓装置を装着している又は補助心臓装置の手術予定のある方
  • ・術前3ヶ月以内で、急性心筋梗塞、不安定狭心症、又は脳血管障害を発症した方
  • ・術前3ヶ月以内で、両心室ペーシング(植込み型除細動器、ペースメーカー植込み手術を含みます)を行った方、または今後行う予定のある方
  • ・肥大型心筋症の方
  • ・活動性の感染症の方
  • ・重度の肝機能障害、腎不全、肺機能に問題のある方
  • ・広範性の末梢血管疾患を有する方
  • ・予後不良の中枢神経疾患(脳梗塞・脳出血含む)の方
  • ・輸血を拒否される方
  • ・癌などの予後不良な悪性疾患の方
  • ・重度の認知症、薬物依存症の方 重度のアレルギーのある方
  • ・妊娠している、授乳中、妊娠の可能性のある方
  • ・他の治験(臨床研究含む)に参加している方

その他、臨床研究に参加するためにはいくつかの基準があります。また、臨床研究参加に同意された後でも、その基準にあてはまるかどうかの事前の検査の結果によっては参加いただけない場合もあります。

予想される効果および不利益

(1)予想される主な効果について

  • ・動物試験から予想される主な効果

慢性心不全大型動物モデル(犬、豚)において、試験機器(右室部分の穴あき心臓形状矯正ネット)は、対照群(ネットを装着しない群)や通常ネット群(右室部分の穴がないネットを装着した群)よりも、右室・左室の収縮能を有意に改善する結果になりました。
スーパーコンピュータを用いた慢性心不全モデルでの心臓シミュレーションにおいても、試験機器(右室部分の穴あき心臓形状矯正ネット)は、一回の心拍出量を増やし、左室心筋のエネルギー消費を軽減することにより、左室のエネルギー効率を改善することがわかりました。
さらに、心不全状態では、心筋線維の配向が乱れ、収縮効率が低下しますが、試験機器を装着すると、その乱れが改善することがシミュレーションにて示されました。
これらの結果は、本試験機器は装着直後から心機能改善効果が期待できることを示しています。

  • ・類似医療機器から予想される主な効果

海外で考案された類似医療機器の海外臨床試験の成績から、左室の大きさ・容量の減少、左室駆出率の改善及び心臓を、より楕円形へ変化させ、より効率的な心臓形状とする効果が期待されます。また、心不全の進行によって必要となってくる主要な心臓手術の必要性を減少させ、患者の生活の質(QOL)を改善させる効果も期待されます。

類似医療機器での海外の臨床試験の成績概要を以下に示します。
*文献:「Clinical Evaluation of the CorCap Cardiac Support Device in Patients With Dilated Cardiomyopathy」2007,The Society of Thoracic Surgeons
:「拡張型心筋症患者のCorCap心臓補助装置の臨床評価」2007年米国胸部外科学会(Elsevier社発)

参加された患者様は、全300名で、類似医療機器で治療された患者様(被験機器群)は、148名、類似医療機器で治療しなかった患者様(対照群)は、152名でした。尚、この患者様の中には、僧帽弁修復・置換術を併せて施術された方も含まれています。
心不全の重症度を判定するNYHA分類の治療後の変化と治療後に主要な心臓手術を行っていない割合(非実施率)の結果概要を下表に示しました。類似医療機器で治療された患者様(被験機器群)の方が、NYHA分類の改善率が45%と高く、また、主要心臓手術の非実施率は89%と高く、その効果が示されています。

(2)予想される主な不利益について

  • ・予想される試験機器の不具合

装着手術後に、試験機器のネットの劣化と、ネットの断裂が考えられますが、1億回の耐久試験(3年間の心拍数に相当)ではネットの劣化、断裂は認めませんでした。手術後数ヶ月間でネットはあなたの心臓に癒着し、強度は安定化することが予想されます。

  • ・予想される合併症

合併症は、周術期(装着後すぐ)には感染(創感染、肺炎、カテーテル感染等)、出血、心不全の悪化、冠動脈(心臓の周りの血管)への影響、遠隔期(装着後しばらくしてから)は、収縮性心膜炎の発生が考えられます。

創感染:手術部位に起こる感染で、一定頻度で起こる可能性があります。一般に人工物を移植する手術では感染する可能性が高くなることが報告されています。研究施設の心臓血管外科では創感染に対して様々な予防策をとり、創感染が起こらないよう最善を尽くしています。

冠動脈への影響:試験機器(心臓形状矯正ネット)は、心臓表面を圧迫して効果を発揮するため、冠動脈を圧迫して冠動脈の血流を低下させる可能性があります。この点については、動物試験を実施し、試験機器の装着により、冠動脈の血流予備能や形態に影響がないことを確かめています。

収縮性心膜炎:心臓の周囲に試験機器(異物)を装着するため、遠隔期に、心臓の表面組織が線維化したり、石灰化する収縮性心膜炎が起こる可能性があります。しかし、本試験機器の類似医療機器であるAcorn CorCapの5年にわたる治験において、収縮性心膜炎の発生はなかったと報告されています。また、本試験機器における動物での長期埋植試験でも心臓周囲の組織反応・癒着は軽微でした。

このほかに、心臓外科手術に関連して起こりうる以下の様な一般的な有害事象が考えられます。
アレルギー反応、不整脈、心タンポナーデ、慢性痛、死亡、心原性ショック、神経障害に繋がる可能性のある血行動態の悪化、感染・敗血症、局所皮膚反応、心筋梗塞、外科手術障害、心外膜液、心膜炎、気胸、肺・腎臓・肝臓不全につながる障害、再手術、血栓塞栓症

下表は「(1)予想される主な効果」における「類似医療機器での海外の臨床試験」と同じ文献での成績です。全観察期間中の有害事象(治験参加中に起こった全ての好ましくない事象)の内、重篤な有害事象の発現数を示しています。ただし、類似医療機器が原因と疑われた事象(副作用)はありませんでした。

さらに、海外では2004年12月時点で欧州5カ国(フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、イタリア)において174名の患者様に類似医療機器使用の実績がございます。その患者様においても、類似医療機器が原因と疑われる有害事象は報告されていません。
これらの有害事象は今までに報告されているものであり、すべての患者様にすべての有害事象が発現するわけではありません。以上のような予想される有害事象・症状に対しては、担当医師が随時観察し、その都度適切な治療を行ないます。

試験への参加が中止となる場合について

この試験にご参加いただいた後、以下の様なことがあった場合は試験への参加を中止することがあります。その場合でもあなたにとって適切な治療を行いますのでご安心ください。

  • 1. 手術時に、試験機器の装着が不可と判断され、埋め込まなかった場合
  • 2. あなたやあなたの家族から参加の取りやめの申し出があった場合
  • 3. 来院出来なくなった場合
  • 4. 患者様に守っていただきたいことが守れなかった場合
  • 5. あなたに好ましくない有害事象があらわれ、試験を継続することが困難であると担当医師が判断した場合
  • 6. その他、この試験を中止する必要があると担当医師が判断した場合

なお、試験への参加を中止した場合も、中止時の安全性を確認するために可能な限り診察、検査などを行わせていただきます。試験機器は一旦装着されますと、原則とりはずすことはありませんので、ご了承ください。

試験終了後の対応について

試験期間中に発生した有害事象が回復せず継続している場合は、原則、症状が回復あるいは安定するまで追跡調査を行います。
試験終了後に本試験機器と関連性が否定できない有害事象が認められた場合は、追跡調査を行います。

試験に関連した健康被害が発生した場合について

この試験は、これまでの研究・試験結果に基づいて科学的に計画され、患者様の安全を最優先に慎重に行います。
今回行われる治療は、拡張型心筋症に対する標準的な治療法ではありません。しかし、この臨床試験を行うことによって拡張した左心室の拡大を抑制し、心機能を改善するなどの効果が期待できると考えています。もし、この試験により健康被害が生じた場合は、通常診療の範囲で最善の治療を行います。なお、健康被害に対し適切に補償を行うため、補償保険に加入しています。また、試験機器が原因と疑われる予想外の重い有害事象が現れ後遺症を残した場合に備え、臨床研究保障保険に加入しています。

試験に関する費用の負担について

心臓形状矯正ネットの装着手術に係る費用は各施設で負担させて頂きます。
試験で計画されている入院中の検査、心臓形状矯正ネットの装着手術費用および入院費は研究費で負担させて頂きます。退院後の診療に係る費用は医療保険で行うこととなります。

外部への検査データの提供について

  • 1. 試験機器をテイラーメイドで設計・製造するために、あなたの術前の検査データ(12誘導心電図検査、胸部X線検査、心エコー検査、MRI/造影CT検査、心臓カテーテル検査)を名古屋大学へ提供いたします。
  • 2. 心機能シミュレーションを行うために、あなたの術前、術中、術後24週の検査データ(12誘導心電図検査、心エコー検査、MRI/造影CT検査、心臓カテーテル検査)を名古屋大学へ提供いたします。その検査データは株式会社UT-Heart研究所に送られ、そこで心機能シミュレーションが実施されます。心臓形状矯正ネットを装着した場合に、心機能がどの様に改善するかなどをスーパーコンピュータで解析し、心臓形状矯正ネットの効果を推定します。この治験でのとりまとめ結果とは別のものになりますが、将来のネット設計に役立てるために付随した研究として実施するものです。
  • 3. 名古屋大学へ検査データが提供される場合、あなたの氏名など、個人を特定できないようにして提供されます。

プライバシーの保護について

  • 1. 参加された方の秘密は守られ、名前や個人を識別する情報は一切公表されません。
  • 2. この試験で得られた情報を、共同研究機関へ提供したり、関連学会や医学雑誌などに発表させていただくことがありますが、全てコード番号を用いて報告されますので、あなたの名前や個人を識別する情報は一切公表されません。
  • 3. この試験に係わる試験機器提供者やその関係者、心機能シミュレーション実施者、この試験を審査する当院の委員会や国(厚生労働省)の担当者があなたのカルテ等を閲覧する場合がありますが、この場合であってもプライバシーは保護されます。
  • 4. あなたがこの試験への参加に同意され、同意文書に署名することにより、カルテ等の資料の閲覧を認めていただいたことになります。
  • 5. 途中で試験を中止された場合は、中止までに実施した結果や、中止後のあなたの状況についても報告させて頂きますので、あらかじめご了承ください。なお、この場合であっても、あなたのプライバシーは、守られますのでご安心ください。

患者様に守っていただきたいこと

  • 1. 現在、使用している他のお薬や別に受けている治療がある場合には、必ずその治療の内容を担当医師にお伝えいただき、それらの治療を続けるかどうか担当医師と相談してください。
  • 2. 他の医療機関を受診したり、新たにお薬が追加になったり、変更になった場合は、必ず薬の種類や量、使用した期間を担当の医師にご連絡ください。
  • 3. 新たに他のお薬(漢方薬等の市販薬やサプリメントを含む)を使用する際には、事前に担当医師に相談してください。
  • 4. 試験の終了、または中止の時まで担当医師の指示に従ってください。
  • 5. 何らかの都合で、受診を中止または中断される場合、担当医師にその旨をお伝えください。無断で中止又は中断された場合、担当医師から問い合わせをさせていただくことがあります。
  • 6. 試験期間中、体に何らかの異常を感じた時は、すぐに直接担当医師あるいは責任医師にご連絡ください。

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