Development History
心臓ネット開発の歴史
研究の背景
- 01薬物治療が功を奏さず心不全の増悪を繰り返す患者にはある時点まで来ると心臓移植しか治療法が残されていない。
- 02しかし、実際に心臓移植が受けられる患者は限られており、待機期間中に補助人工心臓が使用される場合も多いが、血栓や感染などの合併症がある。
- 03薬物以外に心拡張や心不全の進行を抑制する効果があり、幅広い適用が可能な代替治療・併用治療の開発が望まれている。
- 04代替治療・併用治療用の医療機器の開発はこれまでも欧米において行われてきたが実用化されたものはない。
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05iCorNet研究所では心臓リモデリングが心不全増悪の根本原因であることに着目し、リモデリング自体を効果的に抑制する治療用具の研究開発を行って来た。
心臓をネットで包むようにする方法は一定の効果があることはこれまでの研究で知られているが、単純に心室部分を均等な力で圧迫する方法では右室の拡張機能が損なわれ心不全改善効果が得られないことも分かってきた。
テーラーメイド方式心臓アシストネット
はこれらの問題を解決する
新しい拡張型心筋症の治療法
テーラーメイド方式
心臓アシストネットの概要と特長
- 01患者の心臓画像から3次元心臓モデル作成
- 023次元心臓モデルからコンピュータ編み機用型紙を作成
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03心臓アシストネット装着時の心機能・エネルギー効率をシミュレーション技術を用いて予測し、ネット形状と物性が最適化する設計
→循環血液量の日内変動に対応
→患者の適性の判断、術後の心機能予測が可能 -
04 コンピュータ制御の無縫製編み機で、縫製することなく3次元形状ネットを編む。
→あらかじめ患者の心臓画像データを元に心臓アシストネットを編むことで術中の調整が不要。
→低侵襲化( 手術時間短縮・小切開アプローチ) -
05右室拡張障害を回避
→左室に十分な着圧設定
→確実な心臓リモデリング防止
試験物・開発技術の概要
3次元心臓
モデル作成
心臓形状データと
圧データの融合
目数調整(ネット物性データベース)
このように各患者さんの
個別画像データに合わせて
テーラーメイドのネットを作成するため、
画像データが提供されてから
完成まで1か月程度の時間を要します。