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OUTLINE

心臓アシストネットFAB

Background

研究の背景

心不全治療における
最大の課題解決の道へ向けて

種々の治療法による処置にも関わらず、重症心不全患者は急増している。その医療コストは医療経済上大きな負担になっており、安価で広く適応できる新たな治療法の開発が急務となっている。

過去、欧州では、メッシュ状の袋で心臓を覆い、心拡張(心臓リモデリング現象)を防止する心臓サポート型治療(Acorn CorCap)がCEマークを取得し、実際に治療に用いられていた。重症心不全患者においては、進行性の心拡張によって心不全が悪化していくため、その拡張(心臓リモデリング)を抑えるはたらきが期待されていた。

しかし、6規格の大きさのネットを患者個々の心臓の大きさに合わせるために、術中に外科医がネットの大きさを調整しなければならなかった。また両心室を均等な力で圧迫してしまうため、十分な心臓表面着圧を左室に与えると、右室の着圧が過度になってしまうため、右室拡張障害をきたして心拍出量が低下するという問題があった。また生命予後に関する有効性が示されず、米国の承認には至らなかった。

過去の欠点を改善した
新しい心臓アシストネットを開発

本研究代表者らは、2011年から3年間にわたり、経済産業省の課題解決型医療機器等開発改良支援事業を受託。

「術中の調整が不要」「右室拡張の障害にならない」といった、過去の心臓サポート型治療の問題点を解決する「心臓アシストネット(テイラーメイド方式右室拘束軽減型心臓形状矯正ネット)」による治療の開発を行ってきた。

その結果、以下のような成果を上げている。

①心不全患者の心臓画像からの3次元心臓モデル作成方法の確立
②島精機製コンピュータ編み機用心臓アシストネット型紙作成プログラムの開発
③心臓アシストネットの試作と慢性心不全大型動物モデルでの心臓アシストネットの安全性・有効性の検証
④2019‐2021年、臨床研究法に則った多施設共同臨床研究(First in Human)3例を実施し、運動能の大きな改善が得られた。
⑤臨床研究の結果を基に2021年PMDAのプロトコル相談を実施し、探索的医師主導治験の治験計画を策定した。探索的医師主導治験は2022年度前半に開始予定。
⑥慢性心不全大型動物モデルでの右室拘束軽減型心臓形状矯正ネットの有効性・安全性評価実験
⑦GLP基準での安全性試験
⑧PMDA戦略相談

Overview

研究の概要

拡張型心筋症患者を対象とした
心臓アシストネットの臨床POC

本臨床研究は、左室拡張をきたした拡張型心筋症患者に対し、心臓リモデリングの進行を防止する目的で開発された「テイラーメイド方式右室拘束軽減型心臓形状矯正ネット」の安全性の評価を主体とした、多施設共同の臨床研究(First In Human:FIH)である。

jRCTs042180025:拡張型心筋症に対するテイラーメイド方式心臓形状矯正ネットの臨床試験

主要評価項目は、本試験機器の安全性を評価する事であるが、副次評価項目として心機能の改善、左室リモデリング防止、QOL の改善等の有効性も探索的に評価する。

01主な選択基準

対象患者(対象疾患) 心不全を呈する拡張型心筋症の患者で、現治療で症状改善が見込めない NYHA 分類がIII又はIVの患者(僧帽弁置換、僧帽弁形成、三尖弁形成など合併手術を計画している患者は除く)
選択基準 以下の基準をすべて満たす患者を被験者として選択する。

・本人の自由意思による試験参加の同意を文書で得た患者
・同意取得時の年齢が満 20 歳以上、75 歳以下の患者
・心不全に対する 3 ヶ月以上の最適な薬物内服治療(ACE 阻害薬、ARB、利尿薬、β遮断薬、経口強心薬など)にもかかわらず、心不全症状が持続し、現治療による症状改善が見込めない患者
・NYHA分類がIII又はIVの患者、及び INTERMACS Profile の Level 4~7 の患者
・心エコー検査で、LVEDD≧60mm もしくは LVEDDi≧30mm/㎡の患者
・心臓超音波検査もしくは RI 検査でLVEF≦35%の患者
・MRI 又は造影 CT 検査で、RVEDVi≦170mL/㎡の患者
・フォローアップ検査・観察に従う意思があり、実施医療機関に来院可能な患者
除外基準 以下のいずれかに該当する患者は除外する。

・過度に心拡大をきたしている患者(LVEDD>85mm)
・高度に左室機能の低下した患者(LVEF<10%)
・過去に心臓手術歴のある患者(但し、心嚢液貯留があり心臓周囲の癒着が軽度と考えられる患者はその限りでない。ICD、ペースメーカー植込み手術は除く)
・他の心臓外科手術を予定している患者
・CABG歴がある、又はCABGを予定されている患者
・術前3ヶ月以内で、PCI又は経心筋レーザー血行再建を実施した患者またはその候補患者
・IABPを実施している患者
・NYHA分類がⅣで補助心臓装置適応患者及び心臓移植を希望する患者
・術前3ヶ月以内で、両心室ページング(CRT(ICD、ペースメーカー植込み手術を含む))を実施した患者又は今後CRTを予定している患者
・余命1年以内が予想される患者 ・外科手術リスクが増大した最終ステージの心不全患者

02研究方法

  1. 各共同研究施設(5大学)において同意の得られた対象患者に対して、心臓画像およびカテーテル検査より設計されたテイラーメイド方式心臓形状矯正ネットを作成し、全身麻酔下に装着する。
  2. 6か月後の心機能、心臓リモデリング効果、QOL、耐運動能評価を行い、有害事象、有効性の評価を行う。
  3. 名古屋大学では治験事務局を担当する。

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